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FX(外国為替証拠金取引)をする上で大きな武器となる仕組み、それがレバレッジです。
レバレッジが有るから、少ない資金で大きな取引が可能となります。
国内FXでは25倍まで、しかし海外FXとなりますと1000倍、3000倍などのFX業者が存在することをご存知でしょうか?
今回、レバレッジの仕組みと上手な利用方法を解説いたします。
この記事で分かること
- FXでレバレッジを活用するメリット
- レバレッジの危険性
- レバレッジを上手く使った取引方法
FXのレバレッジを解説
レバレッジ(Leverage)は、「梃子の原理」の「力点」のことを言います。
小さな力(投資額)を、大きな力(取引額)に変えてくれるテコの力点がレバレッジです。
FXトレードで自己資金が少ない投資家でも、レバレッジの倍率を効かせて、大きな取引金額を動かせるようになります。
国内FXの現状
国内FX(外国為替証拠金取引)のレバレッジ規制は、2009 年の「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」の施行に合わせて金融庁の主導によって導入されました。
2010年にレバレッジ50倍(2%)までの規制が開始し、2011年8月には国内FX業者は全社25倍(4%)までと決められました。
レバレッジ規制が始まるまでは、国内FX業者にも100倍~600倍程度のレバレッジを効かせられるFX業者が複数存在しました。
規制をするきっかけとなったのは、リーマンショック時に、多くの国内投資家が破綻してしまった原因の一端は、行き過ぎたレバレッジにも有る、との判断から規制が始まりました。
この規制が始まるまでは、海外FXを利用する国内トレーダーは皆無と言っても良いほど、国内FX業者の独壇場でした。
海外FX業者の台頭
2011年国内FXのレバレッジの倍率引き下げと同時期に、海外FX業者のインターネット広告(バナー広告)が盛んになり、少ない資金で大きな取引を望む国内投資家は海外FXに目を向け、現在、利用するトレーダー人口は年々増え続けています。
海外FXはレバレッジ400倍~1000倍程度の会社が多く、3000倍のレバレッジを打ち出している会社も存在します。
国内FXと海外FXのレバレッジの違い
国内FXはレバレッジ規制が在りますので、全てのFX会社が25倍までのレバレッジになります。
一方、海外FX会社はFXブローカーの裁量に任されており、400倍~3000倍までのFX業者が存在します。
海外FX の特徴は、レバレッジが非常に高いため、少ない資金力を大きく膨らませる事が出来ます。
しかし、その反面、リスクが大きく膨らむ危険性も同時に併せ持ちます。
国内FXレバレッジ25倍の場合
◇1ドル100円の時に1万通貨(0.1Lot=100万円分)ロングエントリーに必要な証拠金を計算してみます。
レバレッジ | 25倍(4%) |
---|---|
投資金額 | 10万円 |
必要証拠金 | 4万円 |
証拠金維持率 | 250% |
ロスカット率 | 100%未満 |
93.749円に下落 | 99.97%でロスカット |
例)100万円×4%=4万円 1万通貨(0.1Lot)を保有する為には4万円が必要になります。
・4万円の運用資金で、100万円分のドルを売買できます
海外FXレバレッジ1000倍の場合
◇1ドル100円の時に1万通貨(0.1Lot=100万円分)に必要な証拠金を計算してみます。
レバレッジ | 1000倍(0.1%) |
---|---|
投資金額 | 10万円 |
必要証拠金 | 1,000円 |
証拠金維持率 | 10000% |
ロスカット率 | 20%未満 |
90.018円に下落 | 19.98%でロスカット |
例)100万円×0.1%=1,000円 1万通貨(0.1Lot)を保有する為には1,000円が必要になります。
・1,000円の運用資金で、100万円分のドルを売買できます
10万円の投資金額で保有可能枚数を比べます
※1ドル100円のレート時に、10万円の資金でロングポジションを持てる枚数を比較します
※1ドル100円のレート時に、100円でロングエントリーした設定です。(スプレッド1.2pips)
海外FX業者 | 国内FX業者 | |
---|---|---|
レバレッジ | 1000倍 | 25倍 |
1万通貨の 必要証拠金 |
1,000円 ※1万通貨保有するのに1000円が必要です |
4万円 ※1万通貨を保有するのに4万円が必要です |
10万円で保有可能枚数と証拠金維持率 | 最大100万通貨(10Lot)のロングポジションを保有出来ます。※注 証拠金維持率100%(ロスカット20%未満) 最大1億円分のドルを保有可能 |
最大2万通貨(0.2Lot)のロングポジションを保有出来ます。 証拠金維持率125%(ロスカット100%未満) 最大200万円分のドルを保有可能 |
最大保有数所持時に下落すると | 最大100万通貨(10Lot)のロングポジションを保有時に99.92円までの下落で、維持率が20%になり、以降ロスカットになります。 含み損は-8万円になります。 |
最大2万通貨(0.2Lot)のロングポジションを保有時に98.959円までの下落で、維持率が100.02%になり、以降ロスカットになります。 含み損は-20,820円になります。 |
1円(100pips)上昇し101円 | 100万円の利益が生まれます。 証拠金維持率1089.11% |
2万円の利益が生まれます。 証拠金維持率148.51% |
海外FXのフルレバ取引は、8銭の下落でロスカットされ、国内FXのフルレバ取引は1円の下落でも耐えられます。
反面、思惑通りに1円上昇した場合は、海外FXが100万円の利益に対し、国内FXは2万円になります。
海外FXでは証拠金額が少なくて済みますので、レバレッジを抑えて2万通貨ポジションを保有した場合は、95.02円で維持率が20%を割りますので、約-500pips=-5円までの下落に耐えられます。
注)実際の取引ではスプレッドも存在しますので、10万円で10Lotは保有できません、8Lotが限度です。
実行レバレッジの計算方法
実際にポジションを保有している際に、実行レバレッジがいくつなのかを、知っておく必要が有ります。
実効レバレッジ=ポジション評価額÷有効証拠金
ポジション評価額=現在の交換レート×取引数量
※決済通貨が外貨の場合は対円レートに変換します
有効証拠金=口座資金+評価損益 ※口座残高+ボーナス+損益
※上記画像のユーロ/南アフリカランドと米ドル/南アフリカランドを例に計算してみましょう。
通貨ペア | 現在レート | 数量 | 円変換(ZAR/JPY) | 保有金額 |
---|---|---|---|---|
EUR/ZAR(SELL) | 16.5247 | 2万通貨 | 7.305 | 2,414,259円 |
USD/ZAR(BUY) | 14.7539 | 2万通貨 | 7.305 | 2,155,545円 |
合計数量 | 4万通貨 | ポジション評価総額 | 4,569,803円 |
ポジション評価額 | 有効証拠金 | 実効レバレッジ |
---|---|---|
4,569,803円 | 284,414円 | 16倍 |
証拠金の計算方法と維持率の計算方法
ここまでの解説でレバレッジの有効倍率により、必要証拠金額が変わって来るのはお分かりいただけたと思います。
では、実際にトレードする上で必要証拠金額が、どのような計算式で成り立っているのかを解説していきます。
必要証拠金の計算方法
対円通貨ペアの必要証拠金の計算式
保有ポジションの建値×取引通貨数÷レバレッジ=証拠金
<1万通貨対円の場合>
※解説しやすいように米1ドル100円と1ユーロ120円での計算例です。
通貨ペア | 計算式 | 必要証拠金 |
---|---|---|
USD/JPY(米ドル/円) | 100円×1万通貨÷レバレッジ25倍 | 4万円 |
EUR/JPY(ユーロ/円) | 120円×1万通貨÷レバレッジ25倍 | 4.8万円 |
<円通貨ペア以外の必要証拠金の計算式>
ドルストレートの計算方法(EUR/USDの場合は分子になるユーロ円のレートで計算します)
通貨の対円レート×取引通貨数÷レバレッジ=証拠金
EUR/USDの左側「EUR」は主軸通貨で購入する通貨のことを指し、右側「USD」は決済通貨で売買する通貨を意味しています。
EUR/USD=1.20000と表示されていた場合は、現在ユーロの価値は1.2ドルとなり、1.2ドルで1ユーロを取得出来ることになります。
同じくAUD/JPY(オーストラリア/円)も左側「AUD」が主軸通貨で、右側「JPY」が決済通貨になります。
AUD/JPY=75.000の場合は、1オーストラリアドルは75円で取得できます。
通貨ペア | 計算式 | 必要証拠金 |
---|---|---|
EUR/USD(ユーロ/米ドル) | 120円×1万通貨÷レバレッジ25倍 | 4.8万円 |
EUR/USDを1万通貨所持するための証拠金はEUR/JPY(ユーロ/円)と同じ金額の4.8万円
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率=(口座合計+合計評価損益)÷(必要証拠金×ポジション保有数)×100
例1)レバレッジ25倍のFX業者に証拠金10万円預けて、ドル円100円を1万通貨保有した場合
例2)レバレッジ25倍のFX業者に証拠金10万円預けて、ユーロ円120円を1万通貨保有した場合
例3)レバレッジ25倍のFX業者に証拠金10万円預けて、ユーロドル1.2ドルを1万通貨保有した場合
通貨ペア | 計算式 | 証拠金維持率 |
---|---|---|
USD/JPY(米ドル/円) | 10万円÷4万円×1万通貨×100 | 250.00% |
EUR/JPY(ユーロ/円) | 10万円÷4万8000円×1万通貨×100 | 208.33% |
EUR/USD(ユーロ/ドル) | 10万円÷4万8000円×1万通貨×100 | 208.33% |
例1は、証拠金維持率は250%になります。
※例2と例3は必要証拠金額がEUR/JPYとEUR/USDは同額になりますので、結果として維持率も同じになります。
レバレッジの高いFX業者を紹介
無数にある海外FX業者の中から、特にレバレッジが高いFX業者を4社上げておきます。
ランキング形式で紹介
1位 | 2位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|---|
海外FX業者名 | FBS 詳細 | Is6FX 詳細 | HotForex 詳細 | xm 詳細 |
レバレッジ | 3000倍 | 1000倍 | 1000倍 | 888倍 |
所在地 | ベリーズ | セーシェル | セントビンセント&グレナディーン | キプロス |
ドル円平均スプレッド | 2pips | 1.6pips | 1.7pips | 1.6pips |
ロスカット率 | 20%以下 | 50%以下 | 10%以下 | 20%以下 |
ライセンス | CySEC/BVIFSC | なし | FCA/CySEC/SVGFSA | FCA/FSA/CySEC |
口座開設ボーナス | 100ドル | 1万円 | なし | 3000円 |
入金ボーナス | 100% | 200% | 100% | 100% |
口座通貨日本円 | NO | OK | NO | OK |
※FBSのレバレッジ3000倍は口座残高が200ドルまでです、以降、2000ドル2000倍、5000ドル1000倍とレバレッジは変わります。
レバレッジのデメリット
ここまで、レバレッジの解説をしながら良い点を書いてきましたが、レバレッジの欠点も知っておかないとなりません。
レバレッジの欠点は、レバレッジを効かせることで強制ロスカットの危険性が高くなることです。
レバレッジが無い場合
例…1米ドル100円
下記表はレバレッジ1倍(レバレッジ無)と国内FXの25倍、そして海外FXに多い1000倍を比べてみました。
レバレッジ | 1倍(レバレッジ無) | 25倍 | 1000倍 |
---|---|---|---|
1万通貨 0.1Lot=100万円の証拠金 |
100万円 | 4万円 | 1000円 |
1000通貨 0.01Lot=10万円の証拠金 |
10万円 | 4000円 | 100円 |
100通貨 0.001Lot=1万円の証拠金 |
1万円 | 400円 | 10円 |
10通貨 0.0001Lot=1000円の証拠金 |
1000円 | 40円 | 1円 |
1通貨 0.00001Lot=100円の証拠金 |
100円 | 4円 | 0.1円 |
◆1ドル100円の時に1万通貨(100万円分)保有する場合に
レバレッジを効かせずに、レバレッジ1倍の場合は100万円の証拠金を預けて、ドルを1万通貨(0.1Lot)の保有が出来ます。
証拠金の維持率は100%になります。
1ドルが50円まで下落しても、含み損は-50万円になりますが、証拠金維持率は100%のままです。
極論を言いますと、レバレッジ1倍でドル円が1円になっても含み損は-99万円になりますが、証拠金維持率は100%のままで変わりません。
ドルのレートが下がるに従い必要証拠金額も下がりますので、永久にロスカットはされません。
しかし、レバレッジを利用しないFXトレードの場合は、得られる利益(リターン)も小さくなりますので、投資効率としては良くないです。
レバレッジの安全な使い方
レバレッジを利かさなければ、ロスカットはされないと前項で紹介を致しました。
ここではレバレッジをどのように活用すると、効率よく収益を増やして行けるのかを考えていきます。
フルレバ取引の危険度を検証
投資金額10万円、レバレッジ25倍~1000倍、ロスカット率100%未満の取引環境でどこまで下落するとロスカットされるのかを検証します。
※1ドル=100円、ロスカット水準=100%未満
レバレッジ | 25倍 | 50倍 | 100倍 | 500倍 | 1,000倍 |
---|---|---|---|---|---|
0.1Lot証拠金 | 4万円 | 2万円 | 1万円 | 2000円 | 1000円 |
証拠金維持率 | 250% | 500% | 1000% | 5000% | 10000% |
最大保有枚数 | 0.2Lot(2万通貨) | 0.4Lot(4万通貨) | 0.8Lot(8万通貨) | 4Lot(40万通貨) | 8Lot(80万通貨) |
証拠金維持率 | 125% | 125% | 125% | 125% | 125% |
ロスカット金額 | 98.958円 | 99.489円 | 99.747円 | 99.949円 | 99.974円 |
証拠金維持率 | 99.99% | 99.96% | 99.95% | 99.55% | 99.00% |
ロスカットまでの下落幅 | -104.2pips | -51.1pips | -25.7pips | -5.1Pips | -2.6pips |
100pips上昇時の利益 | 2万円 | 4万円 | 8万円 | 40万円 | 80万円 |
投資金額が同じ10万円でも、レバレッジにより1円上昇すると2万円~80万円とかなり利益に差が出ますので、レバレッジの威力が分かります。
しかし、ロスカットについては、25倍のレバレッジでは-100pips下落してもロスカットされないのに比べて、1000倍では-2.6pipsの下落でロスカットされてしまいます。
レバレッジを有効に使う取引方法まとめ
今回、当たり前のように存在するレバレッジを、深く考察してみました。
レバレッジは大変便利な仕組みですが、かなりの危険も伴うことがお分りいただけたかと思います。
FXで一番大事なのは、資金管理ですので実行レバレッジと口座維持率を確りと管理して、資金を増やしてください。

森 栄一(もりえいいち)
記事は税理士歴10年以上の税理士が監修。もちろん海外FXの現役トレーダー。趣味は旅行と馬。最近はドラクエウォークにはまっています!
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