FXの究極的手法・ポートフォリオ

この記事で分かること

FXトレードはポジションの取得ミスで、想定以上の損を被ってしまうことが起り得ます。
ポジションの取得に失敗したら、早めの損切は大事な作業です。

しかし、損切後に反対ポジションを保有した途端に逆行してしまい、更に損切を繰り返す、いわゆる「損切貧乏」状態になるのは困りものです。
FX通貨ペアの取得方法を1つの通貨ペアに拘らず、もっと柔軟に対応すれば道は開けます。

金融工学に基づいて、複数の通貨ペアを保有することで、保有通貨ペア全体のボラティリティを抑えて、収益に結び付ける取引方法が有ることをご存知でしょうか?
今回、通貨ペアを複数保有しリスク管理をする、ポートフォリオ分析の行い方を解説いたします。

FXの究極的手法・ポートフォリオの優位性

FX市場はForeign Exchange=外国為替と言いまして、2カ国の通貨間の交換比率が変動することで、利益がでたり、損失が出たりするリスクも含んで成り立っています。
通貨ペア間の関係性から見ますと、一個の通貨ペアが下落した時には、必ず連動して下落する通貨ペアと、反対に上昇する通貨ペアが存在します。
通貨の連動性を計算し、複数通貨ペアを保有して、収益を増やして行くことがポートフォリオ分析です。

各通貨ペアの関連性を解説

では通貨ペアの関連性を解説していきます。
例として、クロス円通貨ペア=ユーロ/円(EUR/JPY)の通貨ペアを例に解説していきます。

世界で一番流動量が多いドルストレート通貨ペア=ユーロ/ドル(EUR/USD)が有ります。
そして、世界で二番目に流動性が高いいドルストレート通貨ペア=米ドル/円(USD/JPY)が有ります。
そして、EUR/JPYのレートを出す計算式は下記表になります。

EUR/USD=1.2ドル USD/JPY=100円 EUR/JPYはいくらになるか?
EUR/USD=1.2ドル USD/JPY=100円 EUR/JPY=1.2ドル×100円=120円になります
では、EUR/USDを1通貨保有するのにいくら日本円が必要か?
EURをUSDで買う EUR…買(取引通貨) USD…売(決済通貨)
EUR/USD =1.2ドル×100円=120円  ※EUR/USDを1通貨保有するのに120円が必要
為替は米ドルが基軸通貨になりますのでクロス通貨は、基本は米ドルを介して計算します

上記の表を踏まえてポートフォリオを組んだ際に、スワップポイントの合計がマイナスにならない通貨ペアの組み合わせを、事項で選定します。

ポートフォリオを組む通貨ペアの選別

EUR/ZARとUSD/ZARの相関係数は0.958と非常に連動性が高い組み合わせになります。
そして、それにEUR/USDの通貨ペアを加えて、ポートフォリオを組む場合を見ていきます。
この3通貨ペアのポートフォリオはトライアングル関係が完成し、ボラティリティが低くなり、リスクヘッジ効果は非常に高くなります。

※EUR/ZARショート・USD/ZARロング・EUR/USDロングの関係性
通貨ペア名 取引通貨 決済通貨
EUR/ZARショートポジション ユーロ( 南アフリカランド(
USD/ZARロングポジション 米ドル( 南アフリカランド(
EUR/USDロングポジション ユーロ( 米ドル(
EUR・USD・ZARの3通貨全てを、ロングとショートどちらも所持する形になります
EUR/ZAR=EUR/USD×USD/ZAR

※EUR/ZAR=EUR/JPY÷ZAR/JPYという捉え方も出来ます。

※Gemforexで3通貨ペアのポジションを取得した場合に、合計スワップポイントはプラスになります。
※2020年8月現在のスワップポイント

通貨ペア名 スワップポイント※1万通貨(0.1Lot
EUR/ZARショートポジション 107.51pt
USD/ZARロングポジション -6.72pt
EUR/USDロングポジション 0.247pt
1日のスワップポイント合計 101.037pt

ヒストリカルボラティリティを解説

ここまでの解説の中で出て来ましたボラティリティ(通称ボラ)の解説をして行きます。
正式名称は「ヒストリカルボラティリティ」の省略後で、通常「HV」と書きます。

簡単に言いますと、過去の通貨の動きから、その通貨の変動幅を数字で表したものになります。
言い換えますと、変動リスクをパーセントで表したものです。

◆HVの出し方
先ず、当日終値÷前日終値=前日比をだします。
次に、HVを出したい期間の最初と最後を、エクセルの関数で指定します。
HV=STDEVP(最初のセル:最後のセル)*SQRT(250)

3通貨ペアでポートフォリオを組んでみよう

では、実際に3通貨ペアでポートフォリオを組んで、通貨ペアのレート変動幅を抑えて、得られる可能性が有る最大の利益と、起こりうる最悪のリスクを出していきます。

ポートフォリオを組む通貨ペアの選別

下記画像はエクセルで「EUR/ZAR」「USD/ZAR」「EUR/USD」3通貨ペアの20年間のヒストリカルボラティリティと、3通貨ペア間の相関係数を計算し、投資比率に応じて分散マトリクス表を作成し、3通貨ペアを保有することで全体のHVが如何に小さくなるかを表したものです。

投資比率は5:3:2にしました。
EUR/ZAR5万通貨(0.5Lot=S)、USD/ZAR3万通貨(0.3Lot=L)、EUR/USD2万通貨(0.2Lot=L)

単独ですと、EURZARのHVは6.574%、USD/ZARのHVは6.886%、EUR/USDのHVは3.849%と高いです。
そのボラの高さを3通貨ペア保有することで、1.505%まで抑えることが可能になります。

20年間データから最大利益と最悪なリスクをシミュレーション

エクセルにEURZAR、USD/ZAR、EUR/USDのポートフォリオ分析通貨と、EUR/JPY、USD/JPY、ZAR/JPY日本円に換算する6通貨ペアのデータ20年間分を登録します。

下記画像はエクセルに本日2020年8月30日のレートで「EURZARショート19.75265を5枚」、「USD/ZARロング16.58945を3枚」、「EUR/USDロング1.19057を2枚」を5:3:2の割合でポートフォリオを組んで20年間で得られる最大の利益と、最大のリスクを出して見ました。

※シミュレーション環境
口座資産=50万円
レバレッジ=500倍
スプレッド=EURZARとUSD/ZARは100pips
スプレッド=ZAR/JPYは5pips
スプレッド=EUR/USDは10pips

20年間で得られる最大の利益

※得られる利益、上位10傑を抽出しました。
過去20年間のデータで得られる最大の利益は6,059,488円になります。
2006年2月17日に、EURZARとUSD/ZARのサヤ幅1.148、口座維持率24430%、取引余力6,532,638円となります。

20年間で被る最大のリスク

※被る危険性のワースト10を抽出しました。
過去20年間のデータで受ける最大のリスクは-128,306円になります。
2020年4月6日に、EURZARとUSD/ZARのサヤ幅1.570、維持率1612%、取引余力348,634円になります。

「EURZARショート20.5731を5枚」、「USD/ZARロング18.9932を3枚」、「EUR/USDロング1.08601を2枚」を20年間のデータにてシミュレーションをすると、得られる利益は6,059,488円が見込め、その利益を得るまでに受ける最大のリスクは-128,306円になります。
最大リスク時の維持率が1612%、取引余力は348,634円ですので、50万円の資金でも十分に耐えられます。

まとめ

通貨ペアを複数持ち、リスクを最小限にする組み合わせを作り上げる作業のポートフォリオを解説してきました。
今回は「EURZARショート19.75265を5枚」、「USD/ZARロング16.58945を3枚」、「EUR/USDロング1.19057を2枚」という組み合わせの3通貨ペアで、構成しましたが、更に通貨ペアを増やすことも可能です。

質の高いポートフォリオを組めれば、相場の激変にも対応でき、滑らかな上昇曲線で収益が増していきます。
その際に重要なのは、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)を、緩やかな変動に抑えられる通貨ペアの組み合わせです。

他にも、6通貨、9通貨と複数通貨でポートフォリオを組むことで、より安全に収益を増やすことが出来る組み合わせを、研究されてみるのも面白いと思います。
スワップポイントは総計でプラスになるのが望ましいですが、現在、世界各国が取り組んでいる金融緩和政策は、政策金利を下げることで成り立たせていますので、プラススワップでポートフォリオを組むのは大変厳しいと思います。

レート変動利益と、スワップポイントの差も十分にシミュレーションをした後に、リアルトレードを行ってください。
最後に、スワップポイントは、保有する通貨国の政策金利差で決まりますが、FXブローカーに多分に裁量権が有りますので、ロングもショートもマイナススワップポイントのケースや、両方がプラススワップになるケースも有りますので、取引するFXブローカーの選択にも注意をして下さい。

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海外FX戦士の編集長:
森 栄一(もりえいいち)

記事は税理士歴10年以上の税理士が監修。もちろん海外FXの現役トレーダー。趣味は旅行と馬。最近はドラクエウォークにはまっています!