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/公開日:2021年5月10日
この記事で分かること
MT4に標準搭載されている、オシレーター系テクニカル指標の「DeMarker(デマーカー)」を使用されているトレーダーは、あまり聞いたことが有りませんので、利用者は少ないのかな?と感じております。
オシレーター系のテクニカル指標は、「相場の勢い」「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を知らせてくれるもので、RSIやストキャスティクスに人気が集中しております。
しかし、インジケーターはどれも良い点と悪い点が存在し、どれか一つのインジケーターで済ませられることは少ないです。
今回、RSIやストキャスティクスよりも相場状況に敏感に反応する「DeMarker(デマーカー)」の設定方法や、使い方を解説し、良い点や悪い点も検証しながら見て行きます。
使い方によりDeMarkerは、トレードに大いに役立つインジケーターです。
DeMarker(デマーカー)を解説
開発者のトーマス・R・デマーク氏(Tomas R DeMark)はチャート分析に関する多数の書籍を出し、世界中の投資セミナーにも定期的に登場する、マーケット・スタディーズ社の社長です。
オシレーター系のテクニカル指標であり、動作はRSIと非常に似た動きをし、売買のサインもほぼ同じ形で行います。
しかし、データを導き出す計算方式の違いにより、DeMarkerの方が価格変動への対応が敏感なため、描画されるラインも大きく反応をします。
DeMarkerをMT4に描画させる方法
MT4を起動させて、テクニカル分析をする通貨ペアを表示させて下さい。
DeMarkerをMT4に描画させる方法 |
メニューバーの「表示」⇒「ナビゲーター」ウインドウを表示させます。
「インディケータ」⇒「オシレーター」⇒「DeMarker」をチャートにドラッグアンドドロップします。 その後、設定ウインドウが表示されます。 |
DeMarkerパラメーターの設定 | |
期間:14日(オシレーター系では14日間を使用するケースが多いです)
スタイル:線種とカラーは見易いよう設定します 下限設定は「0」上限設定は「1」にします。 |
レベル表示は0.3と0.7に基準線を引き売買のサインに利用します。
価格変動が激しい通貨ペアでは、基準線を0.2と0.8に変更して使います。 |
DeMarkerの計算式
・DeMax= 高値 > 前日高値の場合は(高値 – 前日高値)、それ以外は0
・DeMin= 安値 < 前日安値の場合は(前日安値 - 安値)、それ以外は0
・DeMarker= 100 × DeMaxのN日単純移動平均 ÷ (DeMaxのN日単純移動平均 + DeMinのN日単純移動平均)
N=10~20日の期間を指定します(今回は14日を指定しています)
<計算式の解説>
定めた期間の最大値と1つ前の期間の最大値を比較します。
もし現在の高値が前よりも高ければ、それぞれの差が加算されます。
もし現在の高値が低い、もしくは前の期間の高値と同じなら、0が加算されます。
N日間から得られる差を合計します。
得られた値はDeMarkerの分子として、現在値と1つ前の差を合計した同じ値で割ります。
もし現在の安値が1つ前の足の安値よりも高ければ、結果は 0 です。
DeMarkerを使用した売買方法
<DeMarkerの売買ルール>
・DeMarker基準ラインが0.7を上抜き推移していたラインが0.7を下抜いたら、売サインになります。
・DeMarker基準ラインが0.3を下抜き推移していたラインが0.3を上抜いたら、買いサインになります。
・DeMarkerが高値圏でダイバージェンスが発生しましたら、強い売りのサインになります。
・DeMarkerが安値圏でコンバージェンスが発生しましたら、強い買いのサインになります。
<ダイバージェンスの解説>
価格は上がり続けていますが、DeMarkerは下落が始まり価格とDeMarkerが乖離した状態のことをいいます。
<コンバージェンスの解説>
価格は下がり続けていますが、DeMarkerは上昇が始まり価格とDeMarkerが収縮した状態のことをいいます。
DeMarkerの売買方法を検証
上記チャート画像はUSD/JPY日足チャートにDeMarkerを描画させています。
(1)で赤●位置で基準ラインの0.7を下抜きましたので、ショートエントリーをしますと、160pipsの取得になります。
(2)で青●位置で基準ラインの0.3を上抜きましたので、ロングエントリーをしますと、220pipsの取得になります。
(3)で青●位置で基準ラインの0.3を上抜きましたので、ロングエントリーをしますと、350pipsの取得になります。
(4)で赤●位置で基準ラインの0.7を下抜きましたので、ショートエントリーをしますと、900pipsの取得になります。
(5)で青●位置で基準ラインの0.3を上抜きましたので、ロングエントリーをしますと、700pipsの取得になります。
(6)で赤●位置で基準ラインの0.7を下抜きましたので、ショートエントリーをしますと、500pipsの取得になります。
(7)で青●位置で基準ラインの0.3を上抜きましたので、ロングエントリーをしますと、130pipsの取得になります。(130pipsは描画されている範囲内です)
※日足での検証のため、ノイズにダマされずに済み、大きく利益が取れています。
DeMarkerを4時間足に適用してみる
上記日足チャートと同じ期間を4時間足にDeMarkerを描画させました。
赤色縦線が基準ラインの0.7を、下抜いたポイントになりますので、ショートエントリーのサインになります。
青色縦線が基準ラインの0.3を、上抜いたポイントになりますにで、ロングエントリーのサインになります。
DeMarkerを日足で利用した場合よりも、遥かに基準ラインを超えるケースが増え、ダマシにも相当数あうことになります。
特に白い四角で囲んだレンジ帯にも、DeMarkerは敏感に反応しております。
これが、まさにRSIやストキャスティクスよりも、相場状況に敏感に反応することを証明しております。
更に短期の1時間足や30分足で利用しますと、更にノイズを過敏に拾いますので、注意して使用しないとなりません。
DeMarker・RSI・Stochasticを比較
下記画像はUSD/JPYの日足チャートを使いDeMarkerとRSIとStochasticを比較したチャート画像です。
上から上段の青色ラインがDeMarkerのラインです。
中段の赤色ラインがRSIのラインです。
そして、下段の青色と赤色の2本線がストキャスティクスのラインです。
・DeMarkerは基準線が0.7と0.3に惹かれています。
・RSIは基準線が70%と30%にラインが引かれています。
・ストキャスティクスは基準線が80%と20%にラインが引かれています。
・青色●位置は上昇の基準ラインに到達したポイントです。
・赤色●位置は下落の基準ラインに到達したポイントです。
・赤色縦線はDeMarkerの基準ライン0.7を、下抜いたポイントになります。
・青色縦線はDeMarkerの基準ライン0.3を、上抜いたポイントになります
(1)のDeMarkerが基準ライン0.7を、下抜いたポイントでは、RSIは基準線の70%に届いていません、ストキャスティクスはローソク足1本遅く基準ラインを下抜いています。
(2)のDeMarkerが基準ライン0.3を、上抜いたポイントでは、RSIは基準線の30%に届いていません、ストキャスティクスはローソク足2本早く基準ラインを上抜いています。
(3)のDeMarkerが基準ライン0.3を、上抜いたポイントでは、RSIは基準線の30%に届いていません、ストキャスティクスは同じポイントで基準ラインを上抜いています。
(4)のDeMarkerが基準ライン0.7を、下抜いたポイントでは、RSIは基準線の70%をローソク足1本早くに下抜いています、ストキャスティクスはDeMarkerと同じポイントで基準ラインを下抜いています。
(5)のDeMarkerが基準ライン0.3を、上抜いたポイントでは、RSIとストキャスティクスは基準線の30%をローソク足3本早く基準ラインを上抜いています。
(6)のDeMarkerが基準ライン0.7を、下抜いたポイントでは、RSIは基準線の70%に届いていません、ストキャスティクスはローソク足1本遅く基準ラインを下抜いています。
(7)のDeMarkerが基準ライン0.3を、上抜いたポイントでは、RSIは基準線の30%に届いていません、ストキャスティクスはローソク足1本遅く基準ラインを上抜いています。
まとめ
今回、MT4に標準搭載している、インジケーターの中でマイナーな位置に有る、売られ過ぎ・買われ過ぎを描画するオシレーター系指標のDeMarkerを解説してきました。
特徴としてはRSIやストキャスティクスに比べて、過敏に反応をする為、中長期な時間軸で利用した方がダマシに合わず、利益も大きく得ることが出来ます。
そして、前項のチャート画像でお分かりいただけると思いますが、狭い値幅で変動するレンジ帯などで利用する場合は、チャートの時間軸を短期に変更し、安値でロングエントリーをし、高値で決済後に途転ショートエントリーを繰り返しますと、値幅は狭くとも利益は重ねられると思います。
今回の記事で、DeMarkerに興味をお持ちいただけましたら幸いです。
森 栄一(もりえいいち)
記事は税理士歴10年以上の税理士が監修。もちろん海外FXの現役トレーダー。趣味は旅行と馬。最近はドラクエウォークにはまっています!
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